企業の“らしさ”から発展する“新しさ”に焦点を当てる。社内起業支援制度のリブランディングをサポート

Client
関西電力株式会社
Solution
BI/VI構築
2025.6.4

近畿一円および周辺地域へのエネルギー事業を中心に手がける関西電力株式会社には、社員の新たな挑戦をサポートする社内起業制度があります。長年続く制度の運営を担う事務局が感じたのは、啓蒙プロモーションの不十分さと、事務局と参加者が思う制度の認識のズレでした。

プログラムの内容を相違なく多くの人に認識してもらうには、プロモーション戦略の策定と、その根幹となるブランドの確立が必要でした。

そこでIDENTITYは、目指すべきブランド像とコミュニケーション指針の策定をサポート。議論を通じて、関係者の運営に対する意識を揃え、テキストに落とし込んだガイドラインの制作およびプロモーション戦略の策定に伴走しました。

プロモーションや運用指針の不確かさに課題

関西電力グループは、エネルギー事業を中心に、暮らしや経済、産業を支えるさまざまな事業活動を展開しています。“未来の「あたりまえ」を創る”を掲げる関西電力は、起業風土の活性化とグループ事業領域の拡大を目的に、1998年から社内起業支援制度を開始。2018年からは、参加のハードルを下げたアイデアコンテストや、外部の専門家を招いてアイデアのブラッシュアップを行うプログラムを加えた3ステップの制度運用により、さらに参加の間口が広がりました。

一方で、3つのプログラムが一連の制度であるという認知がなされていなかったり、グループ会社へのコミュニケーション不足が感じられたりといった課題が浮き彫りに。社員に向けたプロモーションの強化と、その根幹となる確立されたブランド像の整理が求められました。

目指すべき姿を起点に、傘となるブランドの策定をサポート


制作: 705 Creative Co., Ltd.

そこでIDENTITYは、制度に参加するユーザー像の解像度を上げ、ブランドとして目指すべき姿や提供すべき価値を明確にするためのワークショップを提案。As-Is/To-Beを整理しながら、制度の運用を行う事務局内の意識の統一を図りました。同時に「制度自体や事務局が、参加者にどんな存在として認識されていくべきか」の指針となるブランドパーソナリティを策定し、ブランド像の具体性を強化。また、事務局へのヒアリングを通して、現場で関係者が感じていた定性的な課題も洗い出しました。

これらの議論をブランドガイドラインとして整理し、「挑戦を支える」「用意されたプログラムに沿って自然と成長できる」制度としてのコミュニケーション指針を明文化しました。

さらには、3つのプログラムを包括する“傘ブランド”の策定を提案し、一連の制度であるというプロモーションを強化。新たに策定したブランドのリリースに向けた販促物の制作や社内ポータルのページ制作をサポートしました。あわせて、グループ会社へのコミュニケーション不足を改善するための戦略提案を行い、年間のプロモーション計画立案に伴走しました。

受け継がれる企業DNAと、新たな価値創出の両立を目指して

一連の取り組みで大切にしたのは、関西電力グループの中で受け継がれる「関電スピリッツ」と、新たな価値・社会に対する姿勢の両立でした。関西電力らしさの深掘りの結果、新しく策定した傘ブランド『SPARK』は、2025年4月より運用を開始。企業DNAを根幹に据えながら発展していく、新しい価値をイメージさせるブランドを目指しています。リニューアルを機に、既存の3つのプログラムも『SPARKアイデアフェス』『SPARKアクセラレーター』『SPARK起業チャレンジ』と名称を改め、それぞれが担う役割やターゲットの整理が行われました。

POINT

  1. ワークショップを通して運営方針と参加者像の解像度を上げ、事務局内の意識を統一
  2. 3つのプログラムをまとめ上げる傘ブランドと、指針となるガイドラインの策定
  3. 新たに策定したブランドをリリースする際のプロモーションや、年間運営の戦略立案をサポート