目指したのは、長く愛されるD2Cブランド。顧客の”熱量”を可視化し、データドリブンな意思決定をサポート

Client
株式会社ユートピアアグリカルチャー
Solution
データ分析、業務プロセス構築
2021.11.17

株式会社ユートピアアグリカルチャーは、2021年にチーズスイーツのブランドをローンチ。自社ECにて販売を開始すると同時に売り切れが続く人気商品になりました。しかし、設立当初より「長く愛されるブランド」を目指していた同社は、一時のブームで終わってしまうことを危惧。

持続性を担保するためには、一人でも多くの顧客に商品を届ける必要がある。自信を持って販売数を伸ばすための体制が求められていました。

そこでIDENTITYは、「長く愛される」ためのKPI設計から、CRMを軸とした施策の立案および実施をサポート。顧客データの活用体制を構築したうえで、データに基づいた生産と販売の意思決定を支援し、内製化に向けてフォローしています。

短期的な売上よりも「長く愛されるブランド」を目指して

地球環境にも配慮したお菓子を製造・販売する株式会社ユートピアアグリカルチャーは、2021年、EC販売に特化したチーズスイーツのブランド「CHEESE WONDER」を立ち上げました。初速は順調に伸び、販売開始と同時に売り切れが続く人気商品に。喜ばしく感じるとともに、設立時より「長く愛されるブランド」を目指していた同社は、一過性のブームで終わってしまう危機感を覚えます。

長く愛されるためには、より多くの顧客にブランドを知ってもらった上で商品を何度も購入してくれるファンを増やし、安定的に商品を届けるための生産体制が必要になる。しかし、その実現にあたる人員や労力は限られていました。

IDENTITYに求められていたのは、安定的な集客に向け、当初より活用していたLINE公式アカウントを軸にした施策の設計。顧客データの分析・活用の基盤を整え、データに基づいた販売と生産の意思決定が可能になる組織体制を目指しました。

点在していた顧客データを、適切に管理・活用できる体制へ

まず取り組んだのは、安定的な生産体制に向けた施策と指標の整理です。熱量の高いファンを増やすため、顧客との継続的なコミュニケーションが期待できるLINE公式アカウントへの登録を軸にした方針を提案。購買行動プロセス(認知→興味→検討→購買→リピート)を参考に、予想される顧客の行動を当てはめ、それぞれの行動におけるKPIを継続的に議論しています。

このKPIとなる数字を厳密に追っていくために、IDENTITYはGoogleアナリティクスやGoogleスプレッドシートなど、スタンダードなツールを活用します。スモールチームでも導入しやすく、非エンジニアでも扱いやすいツールを選定し、貯まった顧客データを一括管理・活用できる基盤を構築。以前は、EC(Shopify)、Googleアナリティクス、LINE、メールマガジンと、チャネルごとに点在していた顧客データから分析に必要なものだけを抽出し、適切に加工したり、分析から活用したりできるようにしました。

また、お客様が販売通知を見逃さないようにLINEへの登録導線を見直し。迷わず登録できるように改善をおこなったことで、LINEへの登録率は2倍に改善されました。

顧客の“熱量”を独自に数値化。データドリブンな意思決定をサポート

LINE公式アカウントへの登録を促したのちに焦点を当てたのは、顧客の購入意欲や熱量の可視化です。どちらもユートピアアグリカルチャーがブランドの立ち上げ時より重要視してきた要素でしたが、数字として定義するのが難しく、どのように可視化するかがポイントでした。

そこで、幾重の議論を重ね、購買意欲や熱量の基準となる数値を独自に定義。顧客の購買意欲や熱量が定量化されることで、肌感覚ではなく、データに基づいた議論が可能に。数値の増減から自信を持って販売数の増加に向けた生産計画の意思決定が行えるようになりました。

生産計画をもとに販売数は増加傾向にありますが、現状は3ヶ月分の予約販売が完売するなど、安定的な生産体制にはまだ課題が残ります。これからもより多くの顧客に商品を届け、「長く愛されるブランド」として成長し続けるため、​データマネジメントの観点からブランドをサポートしていきます。

POINT

  1. 「長く愛される」ためのKPI設計と、CRMを軸とした施策のサポート
  2. 顧客データ活用体制の構築
  3. データに基づいた生産・販売の意思決定の支援